いつも無気力無表情で、付き合って1年経った今でも、何を考えているのか分からないことのほうが多くて。



だけど、不器用ながらもちゃんと愛してくれる、そんな彼。



朝練が終わった後は、毎日会いに来てくれる。


遅くまで部活があって、疲れていても私のくだらない話に付き合って笑ってくれる。


たまにしかない休みの日は、必ずデートしてくれる。



そんな彼を


学園の王子様だって、周りがなんと言おうが、もう絶対に手放さない。



カイは、私だけの王子様。


………なんて、柄じゃなさすぎるけど。



初めて繋いだ手に、お互い顔を真っ赤に染める、まだまだピュアな私たち。



悪戯心でぎゅうっと強く握ると、さらに真っ赤になるカイが可愛くて



「ねぇ…キス、して」




第1章【完】