その言葉を伝えてくれたのはいつ以来だったか――
驚いて顔を上げた私の唇は、優しく奪われた。
頭のてっぺんから、痺れるような感覚。
何度も何度も、音を立てて吸うように、離れてはくっつく二つの唇。
「んっ、カ、イ」
ちゅっ
初めて直に耳にする生々しいリップ音が羞恥心をかきたてる。
それに加えて背中を這う手に力が抜け、完全にカイに身体を預けた。
「…んっ、も、ダメ……」
ドンっ、と、なけなしの力で胸板を叩くと、甘い音を立てて離れていった。
「っ、はぁ…」
「……」
「もう、分かったから…」
カイが私をどう思っているかなんて、今ので痛いほど分かった。
ちゃんと、混乱していた頭も、落ち着いた。
してって言った私が言うのもなんですが、もうキャパオーバーです。
