なんで、なんで?
なんで、そんな顔するの?
カイのほうが傷ついているみたいな、そんな顔。
どうして、じゃあ、なんで
「キス、してくれない」
「……」
「浮気、してた」
「、してない」
「してた!」
「してない!」
滅多に聞くことのない彼の大きな声に、肩が跳ねる。
「俺には、ナツだけだよ」
掠れた声に胸が高鳴った。
「……ウソだ、」
「…なんで?ちゃんと、分かってくれてただろ?」
……分かってたよ。
分かってたから、1年も付き合ってきたんじゃん。
でも……っ
「信じられなく、なった」
低い声で告げた言葉に、カイは息を詰まらせた。
「、なこと、言うなよ…」
「……っ」
「浮気なんてしてない。どうしたら信じてくれる?」
私に一歩近づいて、懇願するように抱きしめられた。
「……キス、して」
