「あんたはそれでいいかもしれないけど、カイくんはその間どうすんの?あんたのことずっと待ってくれんの?」
「わ、分かんない……」
でも、ミカの言うことは正しい。
カイはめちゃくちゃモテるから、いつ誰に奪われたっておかしくない。
ましてや、私の身勝手で距離を置いて、その間もずっと離れないでいてくれる保証なんてなにもないんだ。
「……ありがと、ミカ」
「分かればいいのよ!!」
ドアにべったりとくっついて、できるだけバレないように教室の中を伺う。
「ナツ…不審者に見えるからやめなさい」
そんなミカの言葉も無視して探すが…いた。
会話が聞こえる程度の至近距離。
……あの子、誰だろう。
カイの教室なんて滅多に来ないから、誰が誰か分からない。
カイと、親しげに話す女の子。
初めて見たかもしれない。カイが女の子と話す姿。
まだまだ、知らないことだらけだな…
心にモヤッとした気持ち悪い感情が現れる。
