なにそれ


なにそれ



んなわけあるかい。



あんたのために可愛くなりたかったんだよ。


自分じゃなにもできないから友達に頼ったよ。


ちょっとは褒めてくれるかもって期待したよ。


何言われるかなってすっごい緊張したよ。



それを、それを


この、男は


滅多に爆笑なんてしないくせに


この、この、



「クソ野郎が―――――!!!!!!」


「え、は、ちょ、」



我慢の限界で、叫び散らして全速力で走り去った。


もう知らない、記念日なんて知らない!!!



あいつに期待した私がバカだった。ドキドキした私がバカだった。


震えるほど緊張して、醜態晒して、何してんだ本当。


恥ずかしい。恥ずかしい。


嫌いだ。もうカイなんて嫌いだ。


私のなけなしの乙女心が、ズタズタだ……