そりゃ妄想は個人の自由であってそれを侵害する権利は私にはないよ?
だけど、でも、え?
もしかして……私なら、奪える、とか思われてんのか……
ガーン
ガ――――――ン
嘘、でしょ
確かに私は不細工だよ?おまけにチビだしデブだし口も悪いし女子力ないし意地っ張りだし天の邪鬼だしツンツンしてるし幼児体型で魅力の欠片もないよ!?
王子様になんて見合わない、どちらかというと使用人のおばさんが似合っているかもしれない。
でも、
だからって、
彼女から奪おうとするのか!?
柱に手をついて落胆しているナツをおじさんが怪訝そうに見つめる。
あぁ……何と言うことだ………
最近の女子高生は、恐ろしいっ!!!
よろよろとフラつきながら、裏門の目の前にある屋内プールに近づいた。
窓から中を覗く。水中にいても一瞬で見つけられる彼の姿。
……キレイだなぁ。すっごく、キレイだ。
