「あぁ、思い出しただけでも鼻血が…」



カイの話をしていた子たちは私に気づいておらず、話を続けている。


おじさんの視線を回避しながら話に聞き入った。



すると、衝撃的な言葉が耳を貫いた。



「あのカラダに抱かれたい!」






………………ん?



「キャー!!変態!何言ってんのよ~」


「え!?だって思わない?」


「ま、まぁ、思うけど…って!もう!」



キャーキャーと頬を赤らめながら言い合っている女の子たち。


いやいや、ちょいとお待ちなさい奥様方。


あなた今なんておっしゃった?



その女の子たちに顔を向けたままフリーズしているナツ。


状況が、読み込めない。


え、私彼女だよね。


あ、そんなの関係ないって?


王子様はみんなのモノって?


……なんだそれは。


ナンダソレハ。



「なんでぇぇ!!!」



その叫び声におじさんの肩が跳ねる。