「はっ!?掴まるってどこに!?何もないよ!?何もないけど――……

って――……



ぎゃあああ゛ぁ゛あ゛」




急発進したバイクに思考回路を停止させられる。



縦横無尽に猛スピードで走り抜けるバイクに、振り落とされそうな恐怖で頭が真っ白になり。


必死でアクマの背中にしがみついた。







家に着くまでの時間、あたしはバイクの後部座席で断末魔の悲鳴を上げ続けた。