至る所に散っていた不良達が、一気にアクマの周りに集まって来る。


その勢いで、繋がれていた手が離れた。




よっしゃ‼このまま逃げてやる‼



人混みを抜け出そうと体を反転しかけた時――……







「あれ!?もしかして二年の高瀬凪桜じゃん!?」


「へっ?」



不良の一人がこちらに気づいた。




「うおー!まじで高瀬さんじゃん!?」


「なに!?阿久津、おめー、知り合い!?」




ぞろぞろとあたしの周りに人だかりが……