「歩いて帰れる距離じゃねぇんだよ。隣町まで連れてこられてるからな。

安全運転で帰るから心配すんな」


「……で、でも」



前回のツーリングでのトラウマをまだ克服していない。

なかなか勇気がでなくて尻込みしていたら――……



「早くしねぇと海藤が目ぇ覚ましちまうぞ」


その一言で、ようやく乗る事が出来た(正確には乗せてもらった)


海藤のあの邪悪さに比べれば、ツーリングの方がまだマシだからだ。