一気に現実に引き戻される。 もうドタキャンなんて考えてられない。 「阿久津くんて、小学校の時の同級生よね?久しぶりでびっくりしちゃったわぁ♪ しかも、スッゴくカッコ良くなっちゃって…… 凪桜の彼氏って、阿久津くんの事だったのねー♪」 母の呑気なお喋りに、耳を貸す隙もない。 脱兎のごとく準備を済ませると、 「いっ、行ってきますっ」 「はぁーい♪行ってらっしゃい♪」 階段を駆け下り、玄関を飛び出した。