一応…待ってたほうがいいのかな。




『ごめん、お待たせ…!』





『桜月くんほんとに送らなくていいよ?』




『でも、女の子1人で心配だし…』




『大丈夫だよ。校門まで一緒に行こう?』



『でもそしたら西山さんが待ってた意味が…』





その言葉に笑ってしまった。
桜月くんはどこまで優しい人なんだろう。




『大丈夫だよ?桜月くんと話してみたかったの。行こう?』




『あ、うん!』





私はローファーに履き替えて、校門に向かって歩く。




『西山さんは、香山さんと仲いいんだっけ?』




『うん。仲いいって言ってもまだ2ヶ月しか一緒にいないけど。』




香山一花。
私の友達。

同じクラスになって、隣の席だった。





『桜月くんは誰と仲良しなの?』




『…うーん。僕は特定の人はいないかな。』




『そうなの?じゃあこれから仲良くしてね!桜月くん。』




『うん。よろしくね。』






確かに誰かと一緒にいるのを見たことはない。
話してるとこをちょっと見たことはあるけど…。




『じゃあまたね!桜月くん。』





『また明日ね。』






電車に乗って携帯を確認すると、いっちゃんからとママから連絡が入ってた。




*.奏乃ごめんね!
今日あんまりゆっくりできなくて!

明日たくさん話そうね!



いっちゃん律儀だな。
まだ2ヶ月しか一緒にいないけど、いっちゃんいい子なんだろうな。





*.奏乃大丈夫?
いつもより帰り遅いみたいだからお兄ちゃんが心配してたよ。



*.大丈夫だよ。
今帰ってるとこ。



私はそう返信すると、イヤホンをつけて音楽を聴き目を閉じた。