「えー、あと一週間もすれば体育祭だ。二年生がでる種目は───」

HRで担任が話す話には興味ない。
だから、こうして窓際の席の私はいつもグラウンドを見て時間を潰す。

「おい、そこー！水谷！話、聞いとけ」

「はーい、すいませーん」
私は、そういいつつもまた窓のほうを見た。



「希李！また、怒られてたね！」
そういって、私の机にやってきたのは高梨美音。中学からの友達で一番仲良しな子。

「そうなんだよーだって、うるさしいさ！何度も聞いた話だから飽きちゃってー」

「まぁ、確かにねー」
私は、教科書を全部机の中に入れてカバンを持った。


「でも、あんたのその陽気さはどうにもならないのかな？」

「え？私、陽気？」

「うん、だってさ───」

「あの！」
突然、後ろから大きな声が聞こえた。
振り返るとそこにはサッカーの服をきた男子。
「高梨さん、ちょっといい？」
その男子は私をちらっと見るなりそう言った。ゆえば、私はおじゃまってことかな～

「美音、私先帰るね！じゃっ！」

「えっ、ちょ、希李！」

美音の叫び声が聞こえるけどそんなの気にせずに私は駅へと向かった。