だから分かっていた。早乙女がオルゴールを壊してしまったのは、ワザとじゃない。事故みたいなもんだって。


しかし音が鳴らないオルゴールを目にして泣き出した巴に、オレの心は妹側に寄ってしまう。


必死に謝る早乙女を追い返す様な事をしてしまい、1日経った現在こうして落ち込んでいる…というワケだ。


「ハァ……」


「まぁーたため息………もう何度目だバカ龍」


隣に立つ親友の士源はオレを励ましつつも、シスコンシスコン言ってくるし。


巴は10近く年離れててずっと入退院を繰り返しているたった1人の妹だから、甘いのは自覚している。