「おめでとう、2人共」


「「えっ……」」


唐突に右耳元で囁き声が聞こえ、振り返る。


でも後ろには誰もいなかった。


い、今の声……リリアの声…だったよね!?


えっ?近くにいるの!?とパニックになりかけるも、比嘉君も私と同時に後ろを振り返った事に気づく。


「比嘉君…?」


アナタにはリリアの姿も声も分からないハズなのに、どうして後ろを見たの?


静かに名前を呼ぶと、比嘉君はハッとした様に僅かに目を見開いた。


「早乙女、早く教室戻って荷物とって来ようぜ」


「ちっ、ちょっと待って比嘉君…!今……っ!!」