ハピネス

ここに戻してもいいんだけど、こんな学校の廊下に置いといたら、絶対ゴミ箱行きになっちゃう。


ゴミ箱に捨てられるより外に戻した方が、きっとこの羽も喜ぶよね。


「何かの鳥の羽さん、お外へお帰りーー」


近くにあった窓を1ヶ所適当に開けて、羽を摘まんだ右手を外に出す。


そのまま、指を離そうとしたんだけれど――――…




「アラ、神聖なる羽を鳥の羽と間違うだなんて………失礼しちゃうわね」




突如背後から聞こえてきた声に、体の動きが止まった。


「えっ……?」


誰かの声につられる様に、後ろを振り向いた私。