こんな事言ったらアレだけど、物はお金で直せても失った信頼や巻き戻したい時間はどうにもならない。


「天祢ちゃん?どしたの?火の玉浮かんでるよ」


「何でもない………」


また謝ろうにも比嘉君はもう謝罪は聞いてくれない気がして、頭を抱えた。


まさかオルゴール1つでこんなになるとは……ハァ……


「天祢ーー」


「へっ?」


ドデカイため息が教室に漂ったと同時に声をかけて来たのは、今日は長い髪を1つにまとめている惟万理。


「ちょっとついて来て?」


「えっ…?ついて来てって、どこに?もう次の授業始まるよ?」