私の小さな声は、誰にも聞かれぬまま喧騒の中に消えていった。


私が比嘉君を好きなのは、ちゃんとした本心だ。彼の彼女になれたら、号泣する自信がある。


だけどアタックする勇気も何も出ずに、こんな風にウダウダ悩むだけの私に――――…比嘉君が振り向いてくれるとは思えない。


「せめて“告白する勇気を下さい”じゃダメですかね、惟万理さん……」


自分の席でアクビをしている惟万理に目線を向け、続いて窓の外を眺める。


晴れ渡る青空の中を、真っ白な鳥がバサバサと飛んでいった気がした。


「どうしたら……いいんだろう………?」