ハピネス

不思議そうな顔で私を見るリリアに、心に浮かんだ疑問を直接ぶつける事は出来なかった。


「まぁ時と場合によっては出来るけれど……ハピネスの仕事で空飛ばなきゃいけないシチュエーションなんて、滅多に無いわよ」


「ええ~~~…リリアだけ空飛べるなんてズルイ……」


「アンタはそこら辺飛んでるカラスやスズメ見ても同じ事思うワケ?」


「思うよ」


「………思うのね」


深く立ち入ってはいけないものから目を逸らして、私はリリアと一緒に学校まで歩いた。


「おはよう天祢!」


「早乙女さんおはよう」


「おはよう、2人共」