ポツリ…と彼の名前を呟くと、惟万理がニシシと笑いながら比嘉君をからかった。


頬を引きつらせてる比嘉君だけど、惟万理……どうにかこの空気を変えようとしてるんだよね。


「お兄ちゃぁーーーん!!」


ピョコピョコ飛んではしゃいでいる巴ちゃんは、とても病弱には見えない。


「龍汰、チェンジ」


「サンキュー士源」


妹さんの相手をバトンタッチした千熊君が、今まで比嘉君が座っていたイスに腰を降ろした。


「惟万理、早乙女さん。あの2人仲いいだろ?龍汰巴ちゃんの見舞いに行く為に、部活すら入らなかったからなーーー…」