「っと。母ちゃんに手伝い頼まれてるんだった。行かねぇと怒られる。」

「何するの?」

「チビたちの面倒見。母ちゃんたちは稲刈りで忙しいから俺が面倒見るんだ。」

「いいなぁ、私もまた皆と遊びたい。」

「また俺んち来いよ。今度は見つからねぇようにな?」

「お父様から逃れるなんて無理よ…。」

私は1度、この籠から逃れようとしたことがある。

それは、お母さんが亡くなったときだ。