そんな毎日に苦しめられることは多々あったが、地主の娘ということもあり、何不自由ない生活はさせてもらった。

「よぉ、今日子。」

「…龍之介。お父様に見つかったら怒られるよ。」

「大丈夫だって。」

龍之介はいつも私の家の裏の窓から入ってくる少年だ。

一体どうやって警備の網をすり抜けているのかはわからないが、何度も窓から私の部屋へと訪れる。