きっと、『またね。』

「お茶をお持ち致しました。」

「…中居さん。入るときは戸を叩いて確認してからにして下さいな。」

「あっ。すいません…。」

中居さんは新しくこの屋敷に入ったお手伝いさんだ。

実家が貧しく、この屋敷で働かせてもらって本当に感謝しているのだと言っていた。

色々と不慣れなようで、花瓶の水をこぼしたり、皿を割ったりと解雇されそうな勢いで間違いばかりしている。