偽物ラブレター

「大地には悪いけど、私は解放されたわ。」




その声は花火の音に消されて俺の耳には届かなかった。




「俺、人を待たせてるんで……」


「また、会いましょ?」



その言葉は、未来を知らせる言葉だったのかもしれなかった。



走って絆創膏を杏樹の元に持って行った。


ベンチに座ったままのあいつの隣には、なぜかこんなにも暑い中フードを被った男子がいた。



「杏樹、お待たせ……」



俺が声をかけるとそのフードを被った男は杏樹から離れていった。