気づいてしまった
自分の気持ちに…
「唯ちゃん?大丈夫か?」
「へ?あっはい!」
急に話しかけられて変な声を出してしまった。
「身体…痛むよな。ごめん、遅なって…」
自分よりも私を気遣ってくれる大河さんの優しさがすごく暖かい。
「私なんかより大河さんの方が重傷じゃないですか!」
「俺はええねん、慣れてるし。唯ちゃんは病院行かなあかんな。」
病院?
「本当に大丈夫ですよ?」
「念のためや…無理矢理されたんやろ?」
あ…そうだ…
あのときの事が頭を過る。
「うっ…」
吐き気がする…
気持ち悪い…
ぎゅっ
?!
「辛かったな…もう我慢せんでえぇ、辛いときな思いっきり泣け」
優しく抱きしめて、子供をあやすように頭を撫でてくれた。
「ヒック…ぅっ…恐かったよぉ…」
誰かの腕の中でこんなに泣いたのは初めてだ。
こんな優しくされたのも…
全部初めて…
