ガチャンッ


ドアの鍵が壊れる音が響いた。




ギイィィィ



重たい扉が開かれる。




やっぱりあなたはいつも助けに来てくれるね。





心のどこかで期待していたのかもしれない。









「唯ちゃん!!」





「た…ぃがさっヒック」




「唯ちゃん!ごめんっ遅くなってしもうて…恐い思いさせて」



「大河さっ…どうして…」




「ここ探すのに時間かかりすぎてしもうた…酷いことされたんやろ?ごめんっ守れなくてごめんな?」



どうして謝るの?





来てくれたことが嬉しい。








涙が止まらなくて声も出ず首を横に振った。





ギュッ



「唯ちゃん…恐かったな」


そう言いながら強くでも優しく抱き締めてくれた。




この手が腕が大好きで




触れたかった。





もう二度と会えないと思っていたのに










目の前にいる。





私の中から恐怖が消えていた。