奈々さんたちが出ていってから
コンクリートに覆われた部屋は驚くほど静かだ。
外の音も全く聞こえない。
「私は…これからどうなるのかな…」
海斗さんが言ってた白鳥組…
あんなに忠告されたのに
大河さんに会いたい気持ちに勝てなくて…
でも…勇気さん辛そうだったな…
「奈々さんのこと…好きなんだよね」
だから大河さんを裏切る覚悟で…
やっぱり…
私が来てから皆に嫌な思いさせてる
私が居なかったら
奈々さんが怒ることも
勇気さんが裏切ることもなかった
「全部私のせいだ…」
やっぱり私の居場所は
ない…
ガチャンッ
ビクッ
突如静まり返っていた部屋にドアの鍵が開く音が響いた。