もちろん綾香は大きく首を横に振った。
「一万二万の額じゃないんです!私は大丈夫です!家族のためですから…お気持ちだけで充分です」
そう言って、拒否する。
でも
惚れた女が他の男に抱かれるのは無償に腹が立つ。
幸い俺には金があった。
柴咲組は関西では有名な極道。
好き勝手出来んのも柴咲組のお陰だ。
だが、俺は組を次ぐ気はこの時は無かった。
何度か親父に世代交代の話をされたが俺の答えは変わらず"NO"だった。
組の上に立つと言うことはその組織を束ねる器と力が必要だ。
あのときの俺にはそんな力もなければ自信もなかった。
けど
「借金無くなれば、綾香は自由になるんやろ?だったら…俺に払わせて?」
綾香だけは守りたい。
