奈々さんが部屋から出ていってからまた部屋は静まり返った。



「はぁ…」


シャラ…


溜め息をしながら俯くと首に着けたままのネックレスが目に入った。



「このネックレスも…私が可哀想だからくれたものなんだろうな…」






諦めなきゃと思っても、大河さんの笑った顔が頭に浮かんできて胸が締め付けられた。







こんな想いするなら…





あのまま何も知らずに…





お母さんの言いなりになっていればよかったのかもしれない。





私は大河さんに出会って弱くなってしまった。






優しさを知ってしまった。






「結局一人ぼっちになっちゃったな」







心なんかいらなかった。