真里は、花夢に腹を立てたらしく、塾があるからと、いそいそと帰ってしまった。
花夢も、少しカールした黒髪をたなびかせながら、スタスタと早足で家路に向かった。
おばさんは、仕事で6時までは帰ってこない。だから、花夢は覚えているかぎり、ずっとかぎっ子だ。留守番していても、別に淋しいとは思わないし、1人の時間も好きだ。
でも、兄がいたらと思ったことが何度もある。姉でも妹でも弟でもない。一緒に居てくれて、少し無愛想で、いつだって頼れる兄が…
でもここは現実の世界。夢なんてかなわない場所。例え地球がひっくり返っても、そんなことかなうわけがないのだ。
そう、ここはおとぎ話の世界じゃない。
花夢も、少しカールした黒髪をたなびかせながら、スタスタと早足で家路に向かった。
おばさんは、仕事で6時までは帰ってこない。だから、花夢は覚えているかぎり、ずっとかぎっ子だ。留守番していても、別に淋しいとは思わないし、1人の時間も好きだ。
でも、兄がいたらと思ったことが何度もある。姉でも妹でも弟でもない。一緒に居てくれて、少し無愛想で、いつだって頼れる兄が…
でもここは現実の世界。夢なんてかなわない場所。例え地球がひっくり返っても、そんなことかなうわけがないのだ。
そう、ここはおとぎ話の世界じゃない。



