奴隷の身分として、妖精族に生まれたミカルはかつての妖精族と同じように人々を助けることが大好きでした。
でも、他の妖精は人族を嫌い、自らの人生をあきらめ、暗い暗い日々を送っていました。
そんな彼らを、ミカルはいつも不思議そうに眺めていました。
なぜ、そんなに何に対しても憎悪の感情しか持てないのかと。
ある日、ミカルは友人に尋ねてみました。
すると、その友人は言いました。
ここには、希望というものがないのだ。
だから、我々妖精は、この世のすべてを恨み、憎んで生きていくしかないのだ。
ミカルは、それを聞いて首を傾げました。
なぜ、希望を持てないのだ。
友人は言いました。
そんなことは、私に聞くんじゃない。
人族のやつにでも聞くんだな。



