寝言なのか須田の口からこぼれた自分の名前。その言葉が桐野の心を強くうつ。愛しいという想い、好きだと言えないもどかしさ。桐野はぎりっと奥歯を噛み締める。もし言えたとして、嫌われたらどうしよう…距離を置かれたらどうしようと悪い考えばかりが頭に浮かぶ。
「須田さん、俺は…」
あんたのことが――…。
そのさきは言えない、簡単には口にできない。桐野は己が唇に手をあてる。なぞる。一度だけ彼と交わした口付け。浅い口付け。まだ唇にはその感触がほんのりと残っている。あれきりキスはしていない。須田はどうしてあの時あんなことをしたのか、桐野は考えていた。まあとくに深い意味はないと思うが、自分的には結構意味を成しているような……。
「ま、いっか」
細かいことは気にしない桐野警部補。そんな性格だから本当に叶う願いも叶わないのではないだろうか。桐野は寝ている彼が風邪をひかないように、毛布をかけてあげる。気持ちよさそうに、深い深い眠りについている須田検事。
ホント、どこまでこの人は無防備なんだか。桐野は小さく微笑して、眠っている須田の髪にそっとキスを落とす。すると「うっ」と小さくまた須田は身じろいだ。そんなふたりの関係を東京の星たちだけが知っている。
「須田さん、俺は…」
あんたのことが――…。
そのさきは言えない、簡単には口にできない。桐野は己が唇に手をあてる。なぞる。一度だけ彼と交わした口付け。浅い口付け。まだ唇にはその感触がほんのりと残っている。あれきりキスはしていない。須田はどうしてあの時あんなことをしたのか、桐野は考えていた。まあとくに深い意味はないと思うが、自分的には結構意味を成しているような……。
「ま、いっか」
細かいことは気にしない桐野警部補。そんな性格だから本当に叶う願いも叶わないのではないだろうか。桐野は寝ている彼が風邪をひかないように、毛布をかけてあげる。気持ちよさそうに、深い深い眠りについている須田検事。
ホント、どこまでこの人は無防備なんだか。桐野は小さく微笑して、眠っている須田の髪にそっとキスを落とす。すると「うっ」と小さくまた須田は身じろいだ。そんなふたりの関係を東京の星たちだけが知っている。
