躊躇いがちにとりあえず真紀の隣に座るな否や


「ホント愛理って卑怯者だよね。」


真紀にそう言われ、恐る恐る真紀の方を見ると……


真紀は笑っていた。


「ずるいよ、愛理は。

 鷹斗なんて授業中もそわそわして携帯を何度も確認しちゃってさ。

 まるで私には勝ち目ないもんね。」


「…真紀、ごめん。」


「ホントはわかってた。

 勇気なくて告れなかったのは私のせいだし、自分の好きな人を見てれば誰を目で追ってるかわかっちゃうのも悲しい事実。


 …でも1番悲しかったのはその気がなかった愛理が鷹斗を好きになって2人が両思いになっていったのを目の前で見せ付けられた事だよ。」


真紀は最後の方は目を潤ませていた。


「ねぇ、私はどうしたらいいの?

 真紀の気持ち知った今でも鷹斗とは別れたくないよ。」


「いいんじゃないの、それでさ。

 鷹斗にはもうフラれたし。」


“意地悪してごめんね”と真紀は悲しげに私へと笑った。



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