そして、結婚式当日――…


俺は結婚式の行われる教会へ向かった。

ちょうど入口の所に哲がいたから、一緒に門をくぐる。


「あっ、奈緒」


教会の庭で会話をしている奈緒と綺那を見付けた。


「なぁ。悠也って奈緒の事、どう思っているわけ?」


哲は真剣な表情で俺をまっすぐ見る。


「どうって……」


陽輝に言われてから、俺は考えた。

奈緒は大切な友達。

だから、奈緒の気持ちは受け取れないと思ったし、断った。

でも、俺はここずっと奈緒の事を考えている。

俺も恋をした事がないわけじゃない。

こんなに奈緒の事が頭から離れなくて、奈緒の事が気になって。

そして、奈緒に会いたくて……

それに、高橋先輩にもムカついたりした。


それって、もしかして、俺、奈緒の事……?


そう思ったりもした。


「最近、ずっと奈緒の事を気にしているからさ」


そうだよ。

俺は、最近ずっと奈緒の事を気にしているよ。

そうだけど、でも……


「奈緒は大切な友達だ」


考えたけど、やっぱり奈緒は友達なんだ。