「へへっ。悠也、久しぶり」


萌実はにこにこと笑っている。

萌実がここにいるという事は……


「より、戻ったんだ」


そう言って、陽輝を見ると、


「あぁ」


と、陽輝は笑顔で返事をする。

陽輝は萌実と別れてからも、ずっと萌実の事を忘れられないでいた。

それを知っていた俺は、陽輝の返事を聞いて嬉しくなる。


俺は座ろうと、空いている席を見ると、奈緒の隣しか空いていなかった。

正直、戸惑ったが、避けるわけにもいかないし、俺は奈緒の隣に座る。


「あっ、えっと……。お仕事、お疲れ様……」


奈緒は一瞬、俺の方を見たけど、すぐに視線を逸らす。


「あぁ……。うん」


どう接したらいいのかわからない俺は、そんな風にしか答えられなかった。


俺も、今日、奈緒とどんな顔をしてあったらいいのかわからなかったけど、奈緒もどうしたらいいのかわからないんだろうな。

でも、奈緒は友達。

だから、こんな風に気まずくなるのは嫌だった。


でも、どうしたらいいんだ?