ずっと好きだったんだよ 番外編 ~悠也 side~

「佐々木……」


笑顔で手を振る佐々木だった。


「何でお前、ここにいるんだよ……」


はぁ、と俺は大きくため息を吐く。

休日出勤をしていた佐々木。

こんな時間まで仕事をしていたのだろうか。

ふと、佐々木の後ろに視線を向けると、そこには同期の須賀 弥生(すが やよい)と楽しそうに話す七海の姿もあった。


何で、七海もいるんだ?

今日、休みじゃなかったのか?


俺は、この場に七海もいた事に驚く。


「何でって、仕事終わって帰ろうとしたら、買い物していた弥生達と会ったんだ。で、一緒にご飯食べに行ってた。って、なぁ、その可愛い子、誰?」


佐々木は栞に近付き、「初めまして」と笑顔で自己紹介をしていた。


「高校の時のクラスメート。俺、今日、同窓会だって言ってただろ?」


佐々木は大学からの付き合い。

だから、栞を元彼女だとは言わなかった。

俺が大学の時に付き合っていた子がいた事を知っているし、ずっと栞に「会いたい」だの「写メ見せて」だの、佐々木は言っていたから。

いろいろ聞かれるのは、面倒くさい。


「あぁ、そういえば言ってたな。あれ?じゃぁ、樫原は?」

「先に中に入ってる」

「そっか」


そう言って、佐々木は栞に話し掛けていた。