大学を卒業した俺は、インテリア雑貨や家具を取り扱う会社に就職した。

そして、入社してから俺達同期は、すごく仲良くなり頻繁に飲みに行っていた。


同期の一人 七海 碧(ななみ あお)。

七海は思った事ははっきり言うし、すごく素直。

それに、いつも笑顔の七海。

俺はそんな七海に惹かれていった。

でも、俺は気持ちを伝える事はしなかった。

七海は俺の事を“同期の一人”としか思っていないのがわかっていたから。

だから俺は、秘かに七海の事を想い続けていた。



だけど、状況は変わる。

七海の配属する経理課に、碓井(うすい)という男が異動してくる。

七海を見ていて、七海が碓井さんの事を意識しているのに気付いた。

そして、碓井さんも……

もしかしたら、七海の事が好きなのかもしれない。

そう思うと、俺の中に焦りが出てくる。

昨年末、七海に彼氏が出来てショックを受けた。

だけど、その後すぐ、彼氏と別れたと知り、正直嬉しかった。

その時、

“七海に意識してもらえるように頑張ろう”

そう思った。

“同期の一人”から抜け出せるように頑張ろうと思っていたのに……