「聞こえてますけど。東条 凛さん?」

「何も言ってませんけど。何か?」

「これでも助けたつもりなんだけど、お礼は無いのかな?」

上から言ってきて!
なんでこの人はこんなに見下した言い方しか出来ないのよ。

もう。早く図書室に行って先生に会いたい…

凌先生…

先生のこと考えると心がきゅーってなるの。
世間では恋っていうらしいけど、私は違う。なんていうか、お兄ちゃんみたいな?憧れが強い存在なんだ。

「…い…っおい。」

「お礼なんて言う義理ありません。しかも私は貴女に助けなんて求めていません。」

「可愛くねえのな。」


「可愛げなんて貴女に出すくらいなら坊主にした方がましです。もう、HRは終わりですよね?失礼します。」

淡々とした口調で告げ、席を立つ。

早く。

凌先生のとこ行かなきゃ。
今日はどんな本紹介してくれるんだろ?