「篠塚、窓際の1番後ろだってよ。」
「おっしゃー俺席めっちゃ離れてるんだけど。」
「いいなー。私なんて席斜め前だよ?最悪としか言いようがない笑」
ヒソヒソ聞こえてくる陰口。
初めての事じゃない。慣れっ子なはず。
大丈夫。いつもの事じゃない。
気にしちゃだめ。
「ゲッ、俺隣じゃんマジ最悪なんだけど。」
聞こえてしまったとどめの言葉。
「まじで?!お前まじドンマイだな笑」
「それな笑ほんと死んだ方がましだわ笑」
゛シンダソウガマシダワ゛
ぐちゃり
何かがえぐられる音が聞こえた気がした。
どんどん周りが見えなくなってくる。涙のせいではない何かに呑まれる感覚が襲ってくる。
心がイタイ。
息が苦しい。
大丈夫。我慢しなきゃ。私は強い。1人でも平気。
なのに。
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カエリタイ。
この教室から消えてしまいたいと思った。
スカートの裾をぎゅっと握りしめ俯いたその時だった。