君を想う



「……もしかして、もう手伝う事はないんですか?だったら帰りたいんですけど」


「うるさいっ、あと少しで終わるから待ってろ」


これ以上言っても無駄らしい。
藤崎斗真は何かを書いていて。
私は何もすることがなく、ただぼんやりとそれを見ていた。


この間も思った事だけど、この人の手の指って長いなぁ、指の長い人は背が高いって聞いたことがあるけどこの人、背も高いよね。


仕事しているところを見るのは初めて。
何かの部品のような絵と説明のようなものを書いているようだった。


今まで、毒舌をはかれたり悪魔の顔で脅されたりしていたからか真剣な顔で一心不乱に書いている姿が新鮮でかっこ良く見える。
瞳子さんは、こういう所を何度も見たことあるんだろうな。
今の藤崎斗真は……仕事の出来るイケメンのいい男でもう一つの毒舌をはく藤崎斗真とはまるで別人で……
瞳子さんは、こんな藤崎斗真が好きなのかもしれない。

藤崎斗真は不意に顔を上げた。


「終わったぞ、帰るか」


やっと帰れる。