君を想う



「瞳子さん、お先に失礼します」

更衣室で化粧を直していた瞳子さんに声をかけ断ったあと1階フロアに降りる途中。


「あれっ藍川さん、今帰り?」


爽やかな笑顔でイケメンが声をかけてきた。


「そうですけど何か、ご用ですか?」


「機嫌悪いの?それともいつも、そんなブスッつらだったっけ?」


「ブスッつらなんてしてないです」


「あ、そう」


よくよく見れば目は笑ってない。
突然空気が変わったような気がした。
何か、恐ろしいことが起こりそうでイヤな予感がする。


「映画……」


「はい?」


映画?


「 見るんだって?田辺さんと」


「田辺さんから聞いたんですか?」


「そうだよ。で、いつ?」



「今度の日曜日ですけど」


「へー、今度の日曜日か」


さっきから、何だろ?


「藍川さんて……もしかして田辺さんと付き合ってる?」

「ち、違います。付き合ってませんよ。映画には、たまたま一緒に行く事になっただけです」


「ふう~ん、そうなんだ」