君を想う



やっぱり田辺さんは優しい人だ。
私は断ってしまったのに恨み事なんか一切言わなかった。


田辺さんと別れて駅に向かった。


駅のホームに行くと「藍川」と呼ばれて声のした方を見ると藤崎斗真がいた。


「藤崎さん……今帰りですか?」

「あぁ、少し前に仕事が終わってさっき駅に着いた」


「藍川は、何でこんなに遅い?たしか受付は残業はなかったよな。何かあったか?」

田辺さんにつきあえないと言ってフッてきたなんて、言えない。

「別に……たいした用事ではないです」


「ふう~ん、てっきり田辺さんに返事をしてきたのかと思った」


「えっ……」


「違ったか?田辺さんは良く気づくし優しいから付き合ってみてもいいんじゃないか」

藤崎斗真に田辺さんとのことを言われてどうしてかモヤモヤしてしまい。言い返していた。


「どうして、気にするんですか?藤崎さんには関係ない事でしょ?それに私は断りました」

「田辺さんに断ったのか?」

「断りました。なんか文句でもあるんですか?」


「そうか……断ったんだな。藍川の思う通りでいいんじゃないか」