君を想う



似合ってるも何も私は藤崎斗真の彼女ではないし、イケメンの隣に立てるような、ふさわしい容姿ではないことは言われるまでもなく自分のことなんだから良く分かってる。
分かっていても他人に言われれば、やっぱり傷付くし嫌な気持ちにもなってしまう。


座っている人達も手を繋いで立っている私達に気付いたのか幾つかの視線が飛んできた。


「……ふ、藤崎さん、この手何とかしてくれませんか?皆見てます」


「……」

返事はないし……私の言った事なんて聞こえてないように知らん顔で私とは顔も合わせない。
ただ、さっきよりも握る手に力がこもっただけだった。


この人はいったい何を考えてるのか。乗客が見ているのに恋人でもない、しかも平凡で見るからに釣り合わない私と手を繋いで何の得がある?
(あの人イケメンなのに女を見る目ないね)なんて引かれかねないのに……。