君を想う



良かった。
中里さんが良いって言ったのなら誘っても大丈夫だよね。


「田辺さんとは本当に偶然会ったの?」


「偶然ですよ。帰りに信号待ちしていたら会ったんです。それでちょうど行き先も同じだったから一緒に来ただけです」


「ふ~ん、そうなの」


瞳子さんは疑いの目を向けてきた。


「里奈が飲みに誘うとか言ってるから田辺さんと進展したのかと思って」


「違いますよ。進展なんてないです。……だいたい最初に田辺さんを誘えって言ったのは瞳子さんですよ」


瞳子さんの言ったような進展なんて本当にない。
田辺さんに対してそんな気持ちも持ってない。
田辺さんとはただの知り合い……


「何かあったのかと思ったんだけど私の勘違いだった?」


「何もないです」