君を想う



「そろそろ戻るかな。じゃあ俺行くから」

藤崎斗真が喫茶室から出ていき私もカップを洗って片付けた後戻った。


「いない間に受付の方は困ったことなかった?」


「来客は一人だけでした。電話は何件かあって。そのうち一件はクレームの電話で応対が大変でした」


「クレームの電話はいつもゴタゴタするんだよね」



「驚きました。いきなり社長を出せって言われて、そんな電話初めてですよ」


前にもそういう電話あった……


「私も似たようなクレームの電話取ったことがあるよ。結局その人は下請け会社の人で生産管理部に繋いだけどね。そういえば、電話に出た途端に怒鳴られたこともあったよ」


「怒鳴られたんですか?それもクレームの電話ですか?」


「それが、クレームとは関係ない、たんなる間違い電話――――――」


「間違い電話で怒鳴られるなんてたまらないですね」


あのときの間違い電話には本当に振り回された。
電話に出たら、相手は怒鳴り始めて口を挟む間もなく一方的に捲し立てられた。
入社したての頃の事だけど間違い電話で怒鳴られるなんてあまりない事だからずっと記憶に残っている。