君を想う




人数と何を飲むとか砂糖がいるかなどの細かい好みは事前に担当者から知らせてくるから、こちらは、それをメモしておいて言われた通りの物をいれればいい。


え~と……二人ともコーヒーで来客用がたしかクリームと砂糖がいるんだったよね。


下段にはカップや急須などがあり、そこからコーヒーカップとソーサーを二つずつ出した。



来客が来ても外の喫茶店なんかを使う担当者もいるから頻繁に喫茶室を使うことはないのでお茶などに使うお湯はポットではなく、やかんで沸かすことになってている。
お湯を沸かし始めると男性が三人、入って来た。


あれっ?電話では二人って言っていたのに……急に増えたのかな。


二人がテーブルにつき、一人がこっちにやって来た。


「悪いけどコーヒーもう1つ追加でお願い出来るかな?」

小柄な私は背の高いその人を見上げる形となった。
うわぁ~この人イケメンだ。
目の前には爽やかな笑顔の男の人が立っていた。
ストレートの短髪、黒髪。キリッとした眉、深い漆黒の瞳が印象的。


どこかで見たような……そんな事あるわけないか。
こんなイケメン前に見ていたら、しっかり覚えてるはずだしね。
営業部の人ではないよね。この人も来客かな?


「コーヒーの追加をお願いしたんだけど聞いてた?」