『ふぅ、疲れた。』

あたし、一ノ瀬雅は大会帰りでヘトヘトな普通の女子高校生。
だけど、あたしには秘密がある。





『あーっ!やっちゃった!バスの時間もうすぐじゃん!バカお兄待っててくれてるかな?』

あたしが通う【戦国城下高校】の通学バス運転手が4個上の兄《一ノ瀬雷牙ーイチノセライガー》という事もあって、色々と借りを作ってしまってるわけで…。
走る事5分。
ギリギリ時間内に間に合ったあたしは、ベンチに座ってバス到着を待つ。
すると、

〈ーーー♪ーー♪ーーーーー♪〉

兄からの電話着信音が鳴った。
あたしは急いで電話にでた。

『もしもし、お兄?迎えは??』

『は?何いってんのお前。今日は、日曜で県大会だったろーが。バスは通ってねーよ。』

あら?そーだっけ?
でも、じゃあ、どーしよー!!!!
…………帰れない…。
一人で考え込んでると、バカお兄の後ろから声がした。

『「雷牙にーちゃん、、雅まだなの?」』

その声は、双子の弟の【一ノ瀬李琴ーイチノセリコトー】だった。

『まって!?何でりーくんの声がするの?』

りーくんが可愛くて可愛くて仕方がないあたしは、りーくんの声に反応する。

『あぁ?李琴は、色々あるんだよ。それより、お前帰りどーすんの?』

あ、忘れてたー!!!
りーくんの声につい反応しちゃって…。

『雷牙にーちゃん、ちょっと変わってよ。』

そう言って電話越しに聞こえたのはりーくんの声だった。