そういえば、湊さんって人がいたな。


学校の昼休み、外をブラブラしながら
花雪は思い出していた。


最後に見たのは、
夏真っ盛りの試合の日の昼間だ。


「弓川!」

名前を呼ばれて顔を向けると、
背が高く明らかに同年代ではない男性がいた。

ふんわりとした自然なくせっ毛を跳ねさせ、白淵のツヤツヤとしたサングラスをかけている。

「あっ……、湊さん!?」


半分にやけたような微笑みを讃えた男性は、湊さんだった。