『優梨』
まただ…またこの声……
「誰なの…」
『この前言ったんだけど聞こえてなかった?』
確か何か言ってた…と思うけど忘れた
「あなたは…誰なの」
『俺はね。永井蒼太。優梨のことを一番知ってるのは俺だよ』
「なが…い…そ…、うた?」
『思い出せないのも理由があるんだ。でもね…優梨』
永井蒼太って人が私の目の前に来て私の手を軽く握った
「…!」
『優梨、もう…俺に囚われないで。優梨は俺っていう壁を越えないかぎりきっと…決断はできない』
「決断…?」
『そう。誰と幸せになるか…』
「誰と…幸せに…?」
