「柏木…………」 大丈夫か、と 呼び掛けようとした時、 柏木の細身の身体が 僅かにぐらりと揺らいで バランスを崩した柏木は 壁に手をついた。 驚いた俺は駆け寄って 柏木の身体を支えた。 「おいっ大丈夫か?!」 そう呼び掛けると、 今度は柏木が驚いた。 だけどすぐに、 いつもの無表情に戻る。 「…………大丈夫。ありがと」